豚カツに食い付きながら、手首で切断する場面を再び想像した――


徐々にリアルになっていく、切断現場の光景…

リアリティーが増すにつれ、1つの問題が生じてきた。


それは血だ。


たかが薬指を切り落としただけで、一瞬数メートルも噴き出した血。手首を切断するとなれば、出血量も半端ではない筈だ。

この2回の指回収作業でさえ服がこんなに汚れたのに、あれ以上の出血量となれば、もっと大事な服が汚れてしまうかも知れない。


どうすれば?
腕を紐で縛っておいてから切るか?


いや、それでは全く解決にならない。持ち帰る手首より先の部分からも、大量に血が流れる可能性もある…

余り大量の血液が流れると、手の形そのものの美しさを損なう危険もある。



3つ目の指輪――…


そうか。
3つ目の指輪で、俺が切断した物からは、血が出ない事にすれば良いんだ!!

何だ、簡単な事ではないか…
不必要な感情など、俺の中にはいくらでもある。

いくらでも――!!


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