女子高生の頭の直ぐ先に落ちた指を拾い、制服の袖口で綺麗に拭くとポケットから取り出した真っ白なハンカチに包んだ。
それをシャツの胸ポケットに大切に入れ、背中に置いたナイフを手にした。
耳を持ち帰らなければならない面倒な作業だが、現状ではこれは必要な事だ。
左手で耳を引っ張り、ナイフを頭蓋骨と水平に滑らせる…
レアのフィレステーキを切っている感覚と同じだ。
いや…
もう少し柔らかいか?
耳を削ぎ落とし、顔を鮮血がダラダラと這う様に流れても、女子高生は一向に目覚めない。
いや、精神が目覚める事を拒否しているのかも知れない。
しかしそれは、俺には関係の無い事だ。俺は俺の指輪の為に、この指さえ手に入れば良い。
最後に女子高生の口から、唾液と血が染み込んだ新聞紙をズルズルと引き抜き、ノミとナイフをその新聞紙に包み…
そして、来た時と同じ様にポケットに入れ、シャツを下ろした――
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