俺はベッド代わりにしているソファーに歩いて行くと、その前にしゃがみソファーの下に手を突っ込んだ。

そして、ソファーの下に隠していたあの箱を引っ張り出した。


乾燥したり腐敗して無惨な姿に変わってしまうなら、そうならない様にすれば良いだけの事…

俺が切り取った物は、そのままの状態を保ち続けるという能力を付け加えれば良い。



俺は箱を持って作業台に戻ると、能力の内容を確定しながら箱を開けた。


欲しい能力は「俺が切り取った物は、永遠にその鮮度を保つ」こと。
失う感情は「罪悪感」だ。

そう念じながら指輪を嵌めると、前回と同じ様に、シルバーリングは激痛を伴いながら俺の指に沈み込んでいった――



これで良い…
最初から、俺の行為に罪など無い。
神の手を持つ俺を、何者も裁ける筈がないんだ。

この俺が作り出す指輪の為にする行為は、あらゆる物に優先し、何者にも否定出来ない!!


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