指は既に血の気は無く、元々白かった色が更に真っ白に透き通り、この世の物とは思えない程キラキラと光を反射していた。

俺は机の上に並べていた指輪から1つ選ぶと、震える手で奇跡とも思える指に嵌めた――


その瞬間、俺の全身に電流が走り、腰に力が入らなくなりその場にしゃがみ込んだ。

しかも涙が止めどなく溢れ、自分でも分かる程に顔が紅潮し全身の血液が激しく沸き立った。



一体何時間そうしていたのか分からないが、俺は一言も言葉を発する事も出来ず呆けていた。


指輪が嵌まる瞬間は、俺に自分がこの為だけに生まれてきたという事を十分に悟らせた。

「もっと…
もっと指が欲しい。
もっともっと、集めなければ…

ほらここに、まだこんなに指輪がある」


次のターゲットをどうするのか考えているうちに、極度の緊張と興奮の為に疲れ果て、そのまま床で眠ってしまった。


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