女性店員の背後から飛び掛かると、そのまま右手で口を塞ぎ、左手で身体を強く抱き抱えた。そして、そのまま強引に路地へと連れ込む――
女性店員は必死に抵抗し、俺の手を振りほどいて逃げようとするが所詮は女の力だ。
逃げられるはずがない。
絶対に逃がさない。
女性店員は激しく首を左右に振り、細い手で口を塞いでいる俺の右手を外そうと力を込めてくる。しかし当然外れる訳がなく、俺の手に爪が深く食い込むだけだった。
俺は路地の真っ暗なアスファルトの上へと、力任せに女性店員を俯せに倒す。そして、その背中に馬乗りになり、女性店員の邪魔な右手を思い切り踏み付けた。
それでも執拗に俺を掴もうとするその手を、更に何度も踏み付ける。そして6度目、渾身の力を込めて踏み付けた時、今までと違う感触が伝わってきた。
硬い物が割れる様な衝撃とともに、女性店員の肘から立木を折った様な音が響いた。女性店員は小刻みに震えた後、激痛で気絶したのか、それきり動かなくなった。
俺は左手に差し込んでいた布テープを30センチほど切り、気が付いた時に騒がれない様に、女性店員の口にしっかりと貼る。



