あの女性店員が出て来るまで、人目に付かない場所で潜んでおかなければならない。

周囲を見渡す。
ホームセンターの隣にある3階建てオフィスビルの外にある、大型の空調設備が目に入った。

自動販売機程の大きさがあり、その陰に入れば歩道から見えない。しかも、ホームセンターとの境界線は目の細かい金網で、オフィスビル側からはよく見える。


俺はオフィスビルの敷地に入ると壁伝いに歩き、空調設備の陰で息を潜める。そして、ホームセンターの出入口を見張った。

時刻が21時を過ぎ、ホームセンターの灯り は消えた。


空調設備の陰は巨大なファンの回転音が激しく響いていたが、徐々に自分自身の鼓動と呼吸音がそれに勝っていく。

心臓は肋骨を突き破りそうな程に脈打ちます、過呼吸で息がくるしい。


だがこれは、指を切り落とす事に対する罪悪感によるものではない・・・

理想の指が手に入る喜びと、光り輝く指輪達の飾り台が出来上がる興奮によるものだ!!