店内の照明を点け、いつも座っているカウンター内の丸椅子に座る。そして、そこの自動販売機で買ったペットボトルのフタを、右手の親指でクルクルと回して開けた。


いや待てよ・・・
ここは慎重に考えなければならない。簡単に犯人だと分かってしまっては、指輪達に申し訳が立たない。

あ、あるぞ。
1つだけ、俺が犯人だとは分からない方法がある!!

そうか。やはり今日襲うべきではない。
何日か午前中のホームセンターに通い、あの従業員が遅番になる時を待とう。


もう直ぐだ。
もう直ぐ俺が作った作品の為に、最高の指を用意する事が出来る・・・


「いらっしゃいませ」

「あの、上のブティックで紹介されて来たんですけど・・・」

広田さんのお陰で売上は好調、来店客の口コミで最近は飛び込みの客も来る様になってきた。

仕入れをする資金が増やせれば、もっと良質な指輪を作る事が出来るはずだ。


あとは、あの女性店員が遅番にさえなれば・・・