ホームセンターのレジは、なぜかいつも混んでいる。
俺はイライラしながらノミと鎚を右手に持ち、生活用品を大量に買い込んだ中年女性が精算を済ませるのを待った。
「どうぞ」
若い女性店員に促され、俺はノミと鎚をレジの台に置いた。
「5,500円になります」
俺はポケットに裸で入れていた1万円札を取り出し、少しシワを伸ばしてカートンに乗せる。
ああ──!!
俺が手渡した1万円札を受け取る手を見た時、最初のターゲットが決まった。
レジの女性店員・・・
彼女の指を見た瞬間、俺の両手にブツブツと鳥肌が立ってきた!!
この長くて細い指は、間違いなく7号。
色といい、爪の形状といい、関節の状態も細くて申し分ない。
俺は釣銭を貰うまでの僅かな時間に、名札に書かれた名前と顔をしっかりと目に焼き付けた。
指を頂くために――



