大工道具を1つずつ確認していくうち、俺は棚の真ん中辺りのある道具の前で立ち止まった。

「これだ!!」

俺はその道具を手に取ると、その刃先を天井のライトに翳した。

鋭い刃先。
横から見ると先端は限りなく細く、鈍い銀色で光を反射している。

「これなら間違いなく、狙った指だけを切り落とす事が出来る」


俺が手にした物・・・それはノミだ。
本来は木材に穴を開けたり、形をと整えたりする道具だ。

固い木材に寸分違わず刺さるノミ。しかも、まるで指を切り落とす為に作られたかの様な、刃先の幅が3センチの種類がある。

俺は刃先の細いノミと鎚を持ち、足早にレジに向かう。俺の鼓動は高鳴り、自然と笑みが溢れた。


これで、やっと指を綺麗に切り落とす為の準備は整った。後はターゲットを見付け、どうやってそれに近付くかという事だけだ・・・