指だ――
指さえあれば良いんだ。
理想の指を見付けて、切り取って持ち帰れば良いんだ。簡単な事だった。
そうすれば、この指輪達を手放す必要もない。それに、いつでも作業場に入れば俺の求める最高の状態で見る事が出来る!!
指さえあれば――
いや・・・俺は一体何を考えているんだ?
これでは、あの耳切り魔と同じではないか。
女性の指を切り落とすだなんて、俺はなんて恐ろしい事を考えているんだ。
犯罪には、常に厳しい罰が待っている。
罪を犯した人間は、裁かれなければならない。
「フ・・・フフフ、フハハハハハ!!」
馬鹿だな俺は・・・
罪?
罰?
この指輪達を、このままの状態で飾っている事こそが罪だろう!!
この指輪達を嵌めるに相応しい指を持ち帰る事が、一体何の罪になると言うのだ!!
そうだ・・・
俺がこの指輪達に指を用意出来ない事こそが、地球上で最悪の罪なのだ。
指を用意しよう。
理想的な指を・・・この指輪達の為に、ここに指を並べよう!!



