愚かな女共だ――

俺に誘導されて店内に来れば、至福の時が待っているというのに!!

たかが用事があるだけで、たかが面倒だという一時の患者だけで・・・せっかく、俺の理想とする指を持っているのに!!

それなのに、俺の指輪を嵌めないなんて・・・なんて愚かなんだ。


徐々に俺は勧誘を断る女達に対し、激しい嫌悪と憎悪を抱いていった。

俺の指輪は完璧だ。
俺が望む指を持った女は、俺の指輪を嵌めるべきなのだ。これこそが、この世の真理なのだ。

しかし、これは当然の事だ。
俺が作る物以上の指輪を作れる者は、この地球上には存在しないのだから!!

俺が作る指輪こそが、究極の指輪だ!!

その指輪を嵌めるに相応しい指を持っている事を誇りに思い、俺の指輪を敬い、頭を下げてでも受け取りに来なければならない!!


そうだ・・・そうなんだ。
何故そんな当然の事を、あの女共は分かっていないんだ?


俺は5時間以上も歩道で勧誘していたため、疲れ果てて日暮れ頃には店へと戻った。