俺は時間が経つのも忘れ、満面の笑みを浮かべたまま涙を流し続けた。

人は最高の芸術作品を目にした時、心が震え自然と涙が溢れてくるものなのだと初めて実感した。

しかも、それ程の作品を俺自身が作るとは!!

俺は指輪を愛でる様に見詰めながら、そのまま眠ってしまった。


翌日――
目が覚めた俺は、作業場に飾っている指輪を念入りに磨くと他の指輪をショーケースに置いた。

「何か食べないとな。着替えも・・・」

俺は朝食と風呂を求めて店を出た。
とはいえ、俺は先月アパートを追い出され店に寝泊まりしていた為、銭湯に行くしかないのだが。


階段を上がり外に出ると、既に大勢の人達が通りを歩いていた。ここは街の中心部を少し外れているとはいえ、駅から徒歩で10分以内の場所だ。

俺は駅とは反対方向にある、今流行りのスーパー銭湯に向かった。