「どうかしたんですか?」

「あ、いえ・・・
これこらも、よろしくお願いします。儲かったら、何かご馳走しますから。ハハハ」

「本当ですか?じゃあ、たくさん紹介しないといけませんね。
あ、そろそろお店に戻らないと」

広田さんは手を振りながら、バタバタと店を出て行った。


広田さんの指を見て確信した――

俺の指輪は、俺が認めた者だけが嵌めることを許されるんだ。有象無象が嵌めていい代物ではないんだ!!


しかし現実的には、売らなければ仕入れも出来なければ家賃も支払えない。

・・・そうだ。
俺自身が納得出来る作品は、衆人の目につかない様に作業場に保管しておく。そして、俺が認めた指を持つ人にだけ販売しよう。無料で渡したって良い。

その他は、普通の来店客に売れば良いんだ。


「何だ、簡単な事じゃないか。
フフフ・・・ハハハハハハ!!」

腹の底から笑いが込み上げてきて、何故だか妙に気分が高揚してきた。


俺はそれから直ぐに店を閉めると、奥の作業場に入って指輪を作り始めた――