なぜ俺の可愛い子供達を、こんな奴等の指に合わさなければならないんだ?

俺の指輪は、今のこの状態が一番美しいんだ。
この状態が最も美しいんだ。
それなのに!!


「じゃあ、明日取りに来ます」

女性客の言葉で我に返る。

「あ、はい。では、こちらにお名前と携帯番号をお願いします」


2人組の女性客が帰った後、続けて来店客があり作った指輪は完売した。

今日だけで10万円以上の売上げだ。考えられない様な売上を本来ならば喜ぶところなのだが、俺の心は逆に沈み込んでいる。


何かが違う――


そんな時、広田さんが俺の様子を見に来た。紹介した客がどうしたのか、気になっていたのだろう。

「どうですか?結構紹介したんですけど、お客さん来ませんでした?」

「あ、はい。ありがとうございます。お陰様で・・・」

思わず息が止まる。
広田さんが右手で長い髪を掻き上げる。その中指に、俺が作った指輪が嵌まっている──


美しい!!
やはり、こうでなくては。細くて長い指に俺の作った指輪が至高の輝きを放っている。

俺の指輪は、こうでなくてはならない。
俺が認めた指にのみ嵌められなければならない!!