広田さんは夏にも関わらず日焼けなどせず、雪の様に真っ白な肌をしている。そしてノースリーブからスラリと伸びる手は細くて、強く掴めば簡単に折れてしまいそうだ。
個人的に俺は、昔から色白で細い手が好きだった。この仕事をする様になってから、以前にも増して好きになった。
それこそ、その手の動きを1日中目で追っていても、全く飽きる事がない程だ。
広田さんの手は、俺の理想とする手にかなり近い。その細くて長い真っ白な指が、俺の作った指輪を纏う・・・
その光景を目の当たりにして、俺の鼓動はかつて経験した事がない程に激しく鼓動した。身体中から沸き上がる高揚感に、頭の中が真っ赤に染まっていく――
俺の自信作が、広田さんのあの指に嵌まった。
ああ、美しい!!
何という美しさなんだ!!
きめ細かい真っ白な肌に、しっとりと馴染んだ銀色の指輪・・・まさに、芸術作品だ。神が起こした奇跡だ!!



