やはり・・・

「ピアスや指輪が好きで、よくジュエリーショップに出入りしているみたいなのです。それで、市内にあるジュエリー関連のお店を回っているところで。

もしも、野崎が来店する様な事があれば、直ぐに連絡をして下さい。よろしくお願いします」


刑事はそこまで話すと、ポケットから取り出したメモ帳に、自分の名前と電話番号を書き始めた。

捜査1課、草壁 結衣・・・県警本部の刑事だ。

「分かりました」

俺はメモ書きを受け取り、直ぐにカウンターの裏側にセロハンテープで貼ろうとした。その時、思いもよらない言葉が耳に飛び込んできた。


「それにしても、これは今まで見た事がないくらい綺麗な指輪ですね。私も聴き込みでずっとジュエリーショップを訪問していますが、こんな素敵な指輪を見たのは初めてです。

近いうちに、今度は客として来店しますね」

「あ、ありがとうございます!!」

刑事はそう俺に告げると、一礼して颯爽と店を出て行った。