古より現代まで…
いや、これから先も、ずっと同じ事を繰り返すのだろう。
人間は自分の欲望を満たす為に、他人を利用し貶めて、自分の代わりに他人を地獄に突き落とす…
誘惑に負け、安易に目標を達成する為に、悪魔と契約を交わし、自分の能力以上の力を得る…
しかし――
自分が与えた苦痛やそれにより発生した怨念、それに相手に対する懺悔の思いや後悔の念は、決して消える事はない。
それらは一時的に、別の場所にストックされているだけだ。
今更分かっても、もう遅い…
俺は作業場の隅に立て掛けていたオノを持ち出すと、刃を上にして床に固定した。
これ以上、心の呵責に俺は耐える事が出来ない。俺は決して許される事はない。俺は決して自分を許せない…
結局――
残ったものは、真実だけ…
真実の自分自身。
その姿に希望は見えるのか、それとも絶望するしかないのか?
俺は目を閉じると、オノの刃に自分の首が刺さる様に、静かに倒れ込んだ――…
.