70年程前、サタン・リングを渡した者は実によくやってくれた。
自国内の反対勢力を抹殺し、ヨーロッパに戦争を起こして殺戮を繰り返し、民族の弾圧により怨嗟を充満させた。
奴の最期は自殺だと言われているが、その理由が分かるか？
分からなくても、直ぐに分かる。人間は脆く脆弱な生き物だという事が…
70年前、我々を歓喜させた奴と比べてお前はどうだ？
たかだか指輪を作り、その指輪を飾る台を狩るだけだ。
しかも、指輪は４つしか使わない。要求する力は、どれもこれも小さい力ばかりだ。そんな力では、大量虐殺等望めもしない。
そもそも、あれは何だ？
恋人だったとはいえ、怨むべき対象だった筈の女をバラバラにする事もせず、首を切り落としただけでなぜ綺麗なままソファーに寝かせてあるんだ。
もうお前に、我々は何も期待しない。
もう少し様子を見ていたかったが、もう猶予期間は過ぎた。
終わりにしよう――」
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