「たかが指輪?
草壁さん、貴女は何も分かってない…

これを見ても、まだそんな暴言が吐けますか?」


俺は目の前に置いていた、巫女の頭蓋骨で作った指輪に被せていた黒い布を取った。

「どうですか?
この生命力が溢れる純白と、滑らかで柔らかな質感…
それに、神業と呼ぶに相応しい技術の粋を結集したフォルムを。

まさに、天が与えた力により、天意に従順に従って作られた神器でしょう!!」


言葉では言い表せない程の美しさに一瞬言葉を失った草壁さんだったが、涙を頬一面に流しながら再び俺を罵った。

「こ、これはまさか、あの巫女の頭蓋骨…


これが、こんな物が神器な訳が無いでしょう!!

人を傷付け、必要とあらば殺し…
人の生命の代償に得られた物が、天意な筈がない。


こんな物は、この世にあってはならない。

葉山さん、貴方のやっている事は、悪魔そのものです!!」


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