俺は手にした頭の半分から、内側にこびり着いていた脳味噌を反対の手で払い除けた。
どこが大脳でどこが小脳だとか、全く分からない…
俺には、ケチャップを混ぜた豆腐を、草むらに撒き散らした程度にしか思えなかった。
頭蓋骨の内側に着いた脳味噌を綺麗にすると、今度は外側に貼り付いた髪を取る…
これは意外に簡単で、髪の毛を束ねて持ち思い切り引っ張ると、頭皮ごと卵の殻が剥ける様に取れた。
俺は脳味噌で内側が赤茶けた頭蓋骨を持参した紙袋に入れ、もう1つポケットに入れてきた物を取り出した。
先日俺が作った指輪だ。
俺はその指輪を、俯せに倒れている巫女の、半分頭蓋骨が取り除かれた頭部…
丸出しになっている脳味噌に、まるで指輪を飾るかの様に差し込んだ。
これで準備は整った。
後は、最高の指輪を完成するだけだ――
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