俺は何食わぬ顔で離宮に近付くと、参拝者を装い巫女の背後にある賽銭箱の前に立った。

巫女は俺の存在に気付くと、一度振り返って頭を下げたが、再び掃除を始めだ。


俺は賽銭箱に100円玉を投げ込み鐘を鳴らすと、鐘の余韻が残る中、素早く巫女の背後を取った。

そして周囲に人がいない事を確認すると、右手を高々と上げると一気に降り下ろした――



次の瞬間…
俺の手には頭部の後ろ半分が、まるで切ったスイカ様に乗っていた。

巫女は叫び声を上げる間もなく、真っ赤な脳味噌をさらけ出したまま、前のめりに倒れた。


俺は頭蓋骨に残った脳味噌をそのままに、片手で巫女を抱え上げると離宮の裏に運んだ。

そして、薄暗く湿気た空気が支配する建物の裏に、無造作に巫女を俯せに下ろした。


この遺体は、直ぐに見付かると困る…

しかし、見付からないと、それにも問題がある。


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