「これは…
人の骨で出来てるの」

「え?」

「あはは!!
冗談、冗談。そんな真顔で驚かないでよ。

これは、水牛の骨で出来てるの。アフリカに旅行に行った時に見付けたんだけど、珍しいから買って帰った物なのよ。

骨を使って装飾品を作ると、その動物の霊力が宿ると信じている部族がいて、その人達が作ったらしいんだけど…
ほら、このネックレスもそう。

霊力なんて話は信じないけど、金属や石とは質感というか雰囲気が違うでしょ?」

俺はその話を聞き、その指輪をもう一度よく確認した…


違う――!!

確かに金属などとは全く違い、本来無機質な物である筈なのに生命力を感じる!!


これだ、これだったんだ…

俺の指輪に足りなかったものは、この生命の躍動感だったんだ!!


骨は自然に在る物ではなく、生命活動により造られる神秘の素材だ。

これを使えば、俺の指輪は完成する筈だ――


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