一体何がどうなったのか分からない・・・
ただ、この目の前にある残り4個の指輪と人差し指に絡まっている指輪は、間違いなく本物のサタン・リングだという事だ。
そして人間らしさとは俺が予想した通り、感情だったという事。
半信半疑・・・
いや、正直あの骨董屋の店主に手渡された時は、全く信じていなかった。
まさか、あれが真実だったとは・・・
いや、まだだ――
痛みが引いた俺は、床に両手を突いて立ち上がる。そして作業台の中心に椅子を移動させ、ゆっくりと腰を下ろした。
感情が失くなっているかなど、現実にそんな場面に遭遇しなければ分かるはずがない。そうなれば、確かめる方法は1つ。
本当に願いが聞き届けられているか、実際にジュエリーを作ってみれば良い。
俺は期待に胸を踊らせながら、左手に銀板を持ち、右手に持った道具で製作を開始した――



