俺は百合の言葉に、狭い作業場に反響し、耳が痛い程の大声で笑った。
「はーっははは!!
百合、お前は俺が何も知らないとでも思っているのか?
俺は知っているんだぞ、何もかもな」
「な、何…
何の事を言ってるの?」
俺は相変わらず馬鹿にした様な物言いを、鼻で笑い飛ばした。
「フッ…
もう良いんだ。そんな演技を続ける必要は無いんだぞ。
高山が来て、俺を犯人だと断定して詰め寄ってきた。奴は、お前しか知らない俺の行動を、全て知っていた。
お前が奴に俺を売った以外に、考えられないだろ!!」
百合は俺の元に歩み寄ると、腕を掴んで揺すりながら顔を見上げた。
「な――…
ま、待って!!
確かに、高山さんから連絡はあったけど…
私は何も言わなかった。
何の話をしているのかも教えられなかったし、私が敏樹の行動なんて他人に話をする筈がないじゃない!!」
「もういい……」
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