俺は立ち上がると無理矢理笑顔を作り、百合を見下ろしながら言った。
「相談したい事は、こっちにあるんだよ」
そのまま歩くと、作業場の扉を開けた…
百合は驚いて、俺の顔を見上げて聞いた。
「作業場……
良いの?
敏樹は昔から、"作業場は自分にとって神聖な場所だから、他人を入れたくない"って言ってたのに…」
俺はそんな百合に対しと、ひたすら殺意を圧し殺すと、これ以上ない位の優しい表情を作った。
「百合なら良いんだ。別に隠す物がある訳でもないし。
まあ、とりあえず中に入ってくれ、そこで話すから…」
最後の話を――!!
百合はカウンターに両手をつき、勢い良く立ち上がった。
おお…
やはり、百合の指も理想的なフォルムをしている。
ジュエリーの企画に携わり、取引先を回っているだけの事はある。かなり気を付けているのだろう…
大丈夫だ百合。
お前の指は、俺の元に永遠に残るから――
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