百合は全くの無警戒で、俺からの「相談したい事がある」という電話に受け答えをした。
仕事が22時前後まではかかりそうだと言う事なので、22時30分位にはなりそうだ。
よく考えてみると、あの日…高山が初めて来店した日から会っていない。
元々、百合が忙しくて中々会えないが、こんなに長い期間会わないのは余り記憶にない。
もう付き合い始めて、もうすぐ3年…
俺は何もしてやれなかったが、百合は俺の為に色々と尽くしてくれた。
百合がいなければ、俺はとっくにジュエリーデザイナーなど辞めて、もっと別の仕事をしていただろう。
いつも俺の側で、俺の為に自分の全てを捧げてくれた…
それなのに、やっと百合の期待に応えられる様になったのに、高山と組んで俺を裏切った。
許せない――!!
今日は全てを精算する……
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