「耳が欲しい犯人が、捜査を撹乱する為とはいえ、リスクを犯してまで手を持ち去る必要がありません。

捜査を撹乱する事だけが目的ならば、もっと容易に狙える部位…
例えば髪を切るとか、お金を強奪しても良い筈でしょ?

奪う事が困難な手や指を、ワザワザ切断までする理由がありません」


直立していた草壁さんは、、いつの間にか身を乗り出していた。

「という事は…」

「そう…
全く別の人間が、手や指を奪う為に、耳切り魔事件を利用したという事です。

別の人間が、手や指を収集している訳ですよ!!」


そうだ…
俺だよ、俺。
俺が天意により、究極の指を探し求めているんだよ!!


「手や指をですか?」

「正確には指でしょうね。
最初の犯行では、被害者は指を切り落とされたとニュースで見ました。

手ごと切り落とす様になったのは、その方が使い勝手が良かったからではないですか?」


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