「これが野崎の経歴です。

高校を卒業後、デザイン専門学校に進学しています。しかも、服飾ではなくジュエリーです。

1年生の時に、全国デザイン賞をピアスで受賞。将来を期待されていたものの、学校の方針が合わずに中退しています」


似ている…か。


「もう間違いありません。野崎は自分の作ったピアスで装飾する為に、耳を切り落としているんです」


警察はこれだけの情報があるにも関わらず、どうして愉快犯などと言っていたんだ?

高山に対する嫉妬から上が協力しなかったのか、それとも単に警察が無能なのか…


だが、これでよく分かった。
いくら草壁さんが騒いだところで、上の方針は変わらないだろう。


「草壁さん…
野崎の動機がハッキリしたと同時に、やはり犯人がもう1人いるという事が明らかになりましたね」

俺は野崎の経歴書をまたぐ様に両手をつくと、直立している草壁さんの見上げた。


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