願ってもない――


俺は喜ぶ草壁さんに、更ならなるアドバイスをした。

「草壁さん…
その発見された全ての耳には、ピアスがついていませんでしたか?」


草壁さんは少し驚いた表情をして、顔から笑みが消えた。

「はい…
私、今その事について何か話をしましたか?」

「何も言ってませんよ。あくまでも想像しただけです」

俺は直接野崎に聞いて、ピアスを装飾する為に耳を集めていた事を知っていた。

いや、知っていた以前に、俺には分かっていた事だが…


「ええ、確かに全ての耳にピアスがしてありました。
それが何かあるんですか?」

「犯人は愉快犯ではなく、明らかにピアスを飾る為に耳を集めていると思います。

調べれば分かると思いますが、多分狙われた人はピアスの穴を開けていなかったのではないですか?」


当然だ。
ピアスをより綺麗に見せる為ならば、穴を開ける位置は自分で決めたい。


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