しかし――
ゲームのアイテムばかりで、実在するサタン・リングについての記述は無かった。
「ふう、やはり駄目か…」
溜め息混じりに諦めの言葉を吐き出した直後、俺は思わず手を止めて画面に釘付けになった。
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・・・――信じられない話だが、第二次世界大戦後のドイツで、私はその話を耳にした。自分が望む力を手に入れる事が出来るサタン・リングという指輪が、この地に存在するというのだ。
それは輝く様な銀色の鉄製ケースに入っており、どういう理由か一部の人にしか開ける事が出来ないらしい。
更に不可解な事は、力を得る為には代償が必要だという事だ。その代償とは、人間らしさ。私はその指輪の行方を探してベルリン――・・・
結局、ヒットした中にそれらしき情報はこれ1つ。しかも、記載した人物の特定どころか、真偽すら不明。
しかし、内容的に俺の手元にある物と、同一の物である可能性は高い。



