ニュースを見ていなかったが、服装の目撃情報が発表されたのか?

あの男は、あの場で殺しておくべきだったか…

とは言え、今更愚痴を言った所でどうにもならない。それよりも、この状況を何とか打開しなければなるまい。


「それで?」

「いや特に、何か用事がある訳じゃないんだ。あんたには逃がしてもらった上、旅費まで渡されたしな。

だが…」


「ハッキリ言え」

「いやな、あんたも俺に捕まってもらうと色々と困るだうろ。

今…隣町にいるんだが、もっと遠くに行った方が良いだろ?」


金か…
金なんか、いくらでも渡してやる。

だが、もし野崎が警察に捕まると、俺の事を供述して罪を軽くしようとするに違いない。

こいつはやはり――


「30万円程なら、直ぐに用意出来るぞ。
今日の夜、店を閉めた頃にでも来いよ」

「別に、そんなつもりじゃなかったんだが…
悪いな」


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