アスファルトの上で呻き声を上げる2人残し、俺は左手を大事に抱えて店に帰った。

しかし、この目撃者がいた事が、俺の計画を狂わせていく――




翌日、俺は通常通りに店を開け、営業活動をしていた。

この日は午前中から来店客が多く、ようやく手が空いたのは15時を過ぎた頃だった。


「今日は客が多いな…」

そう溜め息混じりに、カウンターの下に置いていたお茶のペットボトルに手を伸ばした時、不意に店の電話が鳴った。

俺は舌打ちしてペットボトルを置くと、仕方なくその電話に出た。


「はい、ジュエリーショップボックスです。


もしもし?」


「今朝のニュース見たよ。

あの服…
俺がそこに脱いで行った服だよな。
なぜあんたが俺を逃がしたのか、ようやく分かったよ」

「野崎か?」

「そうだ。
俺のフリをして手や指を切り落としていたのは、あんただろ?」


野崎―――!!


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