俺はブラリと階段を上がり通りに出ると、歩道を繁華街方向に向かって歩き始めた。


考えてみれば簡単な事だった。

女子高生が留まっていて、容易に手を確認出来る場所。それは、コンビニやファーストフード店といった、女子高生達のバイト先だ。

手を確認出来る上に帰宅時間も遅く、1人になる可能性も高い。



「いらっしゃいませ」

まず1件目のコンビニに入り、女子高生らしきバイトを探す。


陳列棚を見るフリをしながら、レジにいる女の子の手を確認する――


駄目だ…
この女の子は、指の間接が太過ぎる。もう少し細くなければ、指輪が通らない。

次の店だ。


コンビニには監視カメラが設置されていて、後で解析される可能性もある。

今日の俺は、どこにでもある帽子を深々と被り、先日野崎が置いて行った服を着ていた。

俺だとは、いくら顔見知りでも、まず気付く事はない。


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