夕方――
いつも通り店を開けた後、行き交う人の顔がスレ違うほんの一瞬しか分からない暗さになってから、俺は街に出た。
監視されずに外出出来るという事は気楽で、自由にターゲットを選別出来るという事は実に優雅だ。
この時間帯であれば、女が大勢いる場所は限られている。
駅近辺は、流石に警戒しているだろう。
となれば、残るは繁華街…しかも飲み屋が建ち並ぶ一角、つまり歓楽街しかない。
あそこなら着飾り、容姿を武器にした女達が集まっている。必ず、俺が求める指を持った女がいる筈だ。
俺の足は、街の中心部の少し奥にある歓楽街へと向かった。
道具を何も持たず、一瞬で腕を切断出来ると気分的に楽だ。
今度は、肘から先を持ち帰るか?
その方が、色々と変化を持たせた飾り方が出来るかも知れない。
そうだな。
今回は、肘で切断して持ち帰ろう――
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