余りの悔しさから強く噛み締めた高山の口からは、血が流れ出していた。

その表情には、まだ自分が正義だという威厳と自信が満ちていた。


この期に及んで鋭い眼光を放つ高山を、俺は持っていた高山の右腕で顔面を2発、3発と殴り付けた。

卑屈にならないその態度に、苛ついて我慢ならなかったのだ。

「高山、命乞いをしろ。
それなら、命だけは助けてやっても良いぞ?」


しかし、高山は不敵な笑みを浮かべながらも、全く媚びる気配は無かった。

それどころか、痺れる程の激痛が全身を支配している筈なのに、脂汗を流しながら挑戦的な言葉を吐いた。

「フッ…
犯罪者に下げる頭など持っていない。殺りたければ好きな様にしろ。

それよりも、俺は一体何で腕を切られたんだ?
痛みはあるが、血が一滴も出ないなんて有り得ない」


くっ…
どうせ殺るにしても、こいつだけは泣き叫ばせなければ気が済まない。


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