百合―――!!
俺を裏切ったんだな。俺を裏切り、高山に情報を流し、俺が捕まれば良いと笑っているんだな!!
許せない…
百合も高山も、絶対に許せない!!
俺は作業場に入ると、パソコンもテレビも目につく物全てを床に叩き付けた。
「ふふふ…ははははは。
もう俺に信じる者などいない。もう誰も信じない。
でも、それで良いんだ…
俺には可愛い指輪達と、それを飾る美しい指がある。
それだけで十分だ!!
そうだ…
もっともっと指輪を作ろう。もっともっと左手を集めよう!!」
俺はプラスチックやガラスの破片が散乱すり床の真ん中で、ふと紙袋から飛び出しているオノに目が止まった。
オノか…
確かに簡単に手首で切断出来るし、切り口も綺麗だ。
だが、大き過ぎて持ち運びには不便だし、いざという時隠す事さえ出来ない。
もっと便利な道具はないものか…
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