時々道路を通過する車のヘッドライトが、車庫の前を左右に伸びる歩道を照らし出す。
しかし交通量は少なく、耳の奥を突くシンとした静寂が車庫の中に充満していた。
その絡み付く様な冷たい空気に、駅の方向から歩道を歩く靴の音が響いてきた。
俺は目立たない様に地べたに這いながら、車庫の中からその方向を見た…
広田さんだ。
間違いなく、広田さんが1人でこちらに向かって歩いて来ている!!
次第に手首から肩へと徐々に鳥肌が立ち始め、興奮の余り噛んだ唇から血が滲んだ。
高山に疑われている今となっては、もう耳を切り落とす必要は無いが、それはあくまでも高山1人だけだ。
やはり今回も、一応耳は切り落としておくか…
俺は耳元で聞こえる程に近付いてきた足音に、身を屈めて車庫の入口に積んであるタイヤの陰で身構えた――
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