俺の目の前に立っている女の左手が、少し手を伸ばせば届く位置にある。
8号…いや9号か?
間接の細い指は、重力に任せたまま、真っ直ぐに床へと伸びている。
触りたい…
もっと近くで見てみたい。8号ならば、俺の手元に置いてやっても良い。
ふと横を見ると、膝の上に両手を乗せて座っている帰宅途中のOL…
これは少し太いか?
いやしかし、少し乾燥させて水分を飛ばせば、ちょうど良い雰囲気ではある。
あ…
乗降口に立ち、手すりを掴んでいる女子高生も中々綺麗な指をしている。
手すりを持っているから、今ならオノを振り下ろせば綺麗に切断出来そうだ。
俺は猛る思いを必死で抑え、当初の予定通り広田さんの利用する駅で下車した。
やはり広田さん以上の指を持った女はいなかったし、途中で気紛れに方針を変える事は多大なリスクを伴うからだ。
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