透「龍月の元姫。」



ドクンッ



胸がそう鳴った。



「り、りゅう、げつの……もと、ひめ。」


透「そいつが俺を救ってくれた人。」



まだ、そう思っててくれただけで、私は嬉しかった。


私は意を決して言った。


「た、確か、元姫ってうら、裏切り者って噂聞いたけど。」


透「……俺は信じてる。
あいつはそんな奴じゃない。」


「………そうなんだ。」


信じてくれる人がいた。


さっきまで、震えてたのに今は収まって心が落ち着いている。


不思議。
”信じてる”って言葉がこんなにも落ち着かせてくれる言葉だったなんて。



透「この学校にも広まってるのか?」


「…この世界に入ってたら、分かるんじゃないかな?」