透は心を開かない相手には棘を刺す。
用がないとき以外は口も開かない。
みんなといても口を開かなかったけど、私といた時は少なくともみんなといる時より話してくれた。


変わらないね。
その傷を大きくしてしまったのは私なんだよね。
こんなやり取りしていながら私の心の中には”ゴメン”の気持ちでいっぱいだった。



私は彼の目を見て、別の場所に移動しようとした







透「ここにいれば。」





…………



「えっ!!!」



透「うるさいんだけど。」



「ごめん。」



あの透が人を受け入れた。



私は、透の前の木にもたれ座った。



透「何?」


「ううん。人が苦手そうに見えたから。何でかなって思って。」


透「………ある人に救われたから。」


「ある人?」


透「その人とお前が似ているから。
口から出た。」


「そっかぁ……。
どこが似てるの?顔?」


透「去る時とか目を見る所が
あと、雰囲気が。ボソッ顔も少し。」


私の癖だ。
去る時、相手の目を見ちゃうんだよね。
もちろん、話してる時も目を見てるけど、
その方が分かってもらえそうって思ったんだ。