あれから、学校では龍月のみんなといることが多くなった。
陽翔が学校に来れるまで一緒にいてくれるって言ってくれた。


みんなの所に行く前に定番の自動販売機の前にいた。
だけど、先に先客がいた。



「……堀江美雨乃。」



堀江美雨乃だった。
そういえば、謹慎が解けたって聞いた。



美「もう、何もしないわよ。」


「警戒してるつもりわなかった。」


美「そう?緊張感が伝わってきたから。」


「ちょっとだけ。
ねぇ、少しだけ話さない?
ここにいると他の人の目が気になるから。」



中庭の方を指差し、そう言った。



美「いいよ。」




中庭の奥まで来た。



「蛇鬼の総長とはどうなったの?」


美「別れた。あの人と何人かは少年院に行ったの。
本当は私がそこへ行かなきゃいけないのに、
あの人は、自分のせいにして向こうへ行った。」


「きっと、蛇鬼の総長はちゃんとあなたのことが
好きだったんだね。
あの時は、あんなこと言ってたけど。」


美「私もそう思った。
だけど、行く前に会ったの。
私の気持ちを伝えに。
だけど、受け取れないって。」


「本性じゃないよ。」


美「そんなの分かってる。
だから、出てくるまで待ってるつもり。」


「フッ、やっぱ堀江美雨乃ね。」


美「何それ、バカにしてるの?」


「してない。褒めてるの。」