少しだけ、倉庫でみんなと話して、流輝が送ってくれるって言ってたはずなんだけど、玲欧が隣にいる。



「……。」


玲「……。」



お互い無言で、周りの音が凄く賑やかに聞こえる。


でも、かなり久しぶりに玲欧の横で歩いて帰ってる気がする。
なんか変な感じがする。



玲「俺、堀江のことちゃんと好きじゃなかったと思う。」


「……。」


玲「あの時、堀江のケガと慎史の情報だけ信じて、
チームを守らないと思って焦って、結愛の話を聞かず、
切り離して、勝手に大丈夫だと思ってた。」

玲「でも、結愛がいた時といなくなった時の
みんなの空気がこんなにも変わると思ってなかった。
それだけ、結愛の事が好きだったんだって。
後から気付いた。」


「また、謝るの?笑」


玲「…何回謝ってもいいって思ってる。
それくらいの事をしてるから。」


「私はちゃんと許してるからね?」


玲「ん。分かってる。
堀江と付き合って、それでも憎いはずなのに
結愛がずっと心のどこかにいた。
忘れることなんて1度もなかった。」


「それは、憎んでるからだよ。」


玲「違う。俺は総長だから、みんなを守らないと思って
突き放すようなことを言ったりした。
本当は言いたくなかった。
って言い訳だけど。」


「そうだよ。…もう、終わったことだよ。」


玲「そうだな…。
あの時、俺は結愛のことが好きだった。
結愛は俺のこと好きだった?」