呼ばれ、振り返ったら看護師の制服を着た空輝のお母さんがいた。



空母「結愛ちゃん少し、話さない?」



そう言われ、私は頷き、中庭のベンチに座った。


座って、沈黙が続いている。
その沈黙を破ったのは空輝のお母さんだった。



空母「結愛ちゃん、ごめんなさい。
危険な目に合わせちゃって。」


「違うんです。あそこで私がいなかったら
空輝はあんな状態にはならなかった。
私のせいで、空輝は」


空母「結愛ちゃん、自分のせいにしないで。
それだと、結愛ちゃんを助けた空輝が
惨めで可愛そうだわ。」


空母「それに、空輝は結愛ちゃんと
約束でもしたんじゃないかしら?
“守る”的なことを」



私はそう言われ、空輝に姫になってって言われた時のことを思い出した。
あの時、空輝は絶対に守ると言ってくれた。



「私は、どうすれば……」


空母「とりあえず、直哉くん達に謝ってきなさい。
それから、空輝のこと信じてあげて。
一瞬忘れてもいいから、
じゃないと結愛ちゃんが疲れちゃうからね。」



そう言われ、涙を流し頷いた。

空輝のお母さんは落ち着くまで黙って背中を撫でてくれた。




病室に戻ると、お母さんもいた。



母「結愛!」



お母さんは私の所まで駆け寄って、抱きしめてくれた。