よかった……空輝が生きてて……



「奏くん、空輝はどこの病室にいるの?
私会いに行きたい。」


奏「……先生の許可が降りたらね。」



そっか…起きたばっかだから……。


でも、なんでか胸騒ぎがする。







 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄






…………。




奏「……姉ちゃん。」


「なんで、空輝はこの病室にいるの?」


直「致命傷だったらしい。
奇跡的に助かったって言ってた。」


「わ、私のせいだ。」


直「違う!結愛のせいじゃない!!」


「だって!あそこで庇わられなかったら……空輝は生きてた!」


直「でも、結愛は死んでたかもしれないんだろ?」


「私はいいの!
空輝は……私の命よりも…バシーンッ」



お兄ちゃんが私の頬を叩いた。



直「この世に比べていい命なんてひとつもない。
俺は結愛が生きててくれてよかったって思ってる。
空輝に感謝してる。
それなのに、結愛はなんで…」



私はお兄ちゃんの言葉を最後まで聞かず、走って逃げた。
説教されるのが嫌じゃなくて、あの場にいたら私は私でなくなりそうだったから。

こんなの綺麗ごとだ。



?「結愛ちゃん。」