その時の男の人と目があった。



孔雀総「やぁ、あの時ぶりだね。」


空「は?」


孔雀総「君じゃないよ。後ろの子。」



空輝は後ろを振り向き、私に言った。



空「結愛、1人で出歩いたの?」


「ご、ごめんなさい。
すぐそこだから大丈夫だと思って。」


空「すぐそこでも連絡を入れて。」


「だって、みんなその日忙しいみたいだったから。」


空「……あの時か。」


孔雀総「まさか、そこまで読めないよ。」


空「何もしてないよな?」


孔雀総「何もしてないよ?
逆に助けてあげたんだけど。」



コクッ

私は頷いた。



空「それは礼を言う。
それで何の用だ。」


孔雀総「君たちの位置はいらない。
けど、王気取りの君たちは気に入らない。
それと、俺はその子が気に入ったから
欲しいなって思ってね。」


空「結愛をそうそうあげるわけねぇだろ。」


孔雀総「簡単に貰おうなんて思ってないよ。
だから、人集めて来たんだよ。」


空「汚いな。」


孔雀総「欲しいものはどんな手を使っても欲しいでしょ。」




そう言って、孔雀の総長は後ろにいる仲間に合図をだし、
その合図と共に仲間はこっちへ向かって走ってきた。



空「結愛、大丈夫だからな。
守るって約束したから安心しろ。」



私に話しかけていた穏やかな空気から殺気を纏い空輝も前に歩いて行った。
こんな人数を1人で戦うなんて……無理だと思った。
だけど、空輝のあの言葉に私は信じ、少しだけ安心した。


空輝ならやれそうだから。