名前を呼ばれ、私は声のする方にゆっくりと顔を向けた。


そこには、輝神の元幹部の成松隼斗がいた。



「な、なんで?」


隼「俺は、ここが地元だから。
結愛こそなんで?」


「私は…」


隼「今度は何から逃げてるの?」


「……。」


隼「怖くて、逃げてるなら怖がる必要も
恐れる必要もないだろ?
結愛にはあいつがちゃんとついてるんだし。」


「……。」


隼「あいつは結愛を1番に考えて、
1番信じてただろ?
結愛が逃げてたら、あいつは悲しむ。
それに、俺らも。」


「分かってるんだけど…」


隼「俺は結愛の味方だから、大丈夫。」


「…隼斗、私は…」


恭母「結愛ちゃん?」


「京凪さん。」


恭母「友達?」


隼「結愛がお世話になってます。
結愛の兄の隼斗です。」


恭母「そうだったの!」


隼「迎えが遅くなってすみません。」


恭母「全然、いいのよ!
私も楽しかったから。
じゃあ、帰るのね?」


「…はい。」


恭母「恭成に言っとくね。」


「すいません、買い物の途中でしたのに。」


恭母「ううん、また一緒に出かけましょ。」


「はい。」



私は恭ちゃんのお母さんに頭を下げて、隼斗と共にその場を離れた。