「誠司、今日どうした?なんか様子、変だったぞ。」

先輩声優の昌紀さんに心配されてる。普段、鈍い昌紀さんに気づかれるなんて…どんだけ顔に出てんだ?

「誠司、無視かよ。俺、先輩なんだけど。」

「昌紀さん、昌紀さんって友達に声優やってるってこと秘密にしてたことってありますか?」

「友達っつーか、彼女にはあったけど?お前、まさか、隠してたのがばれたのか?」

「…試写会で、正面にいた子、覚えてますか?」

「ああ、あのメッチャ驚いた顔してた子?もしかして、誠司の彼女!?」

「彼女じゃないです。あいつ、俺の高校の友達なんです。」