由美香への復讐―。


その方法はただ、一つ。


私が、強くならなきゃ。


由美香を、いや。桜風を倒せるくらいに。


そして私はその日から。





桜風の姫だった時に、よく行っていた繁華街の路地裏に再び足を踏み入れるようになった。



長い髪はまとめてショートのウィッグをかぶる。



目には青いカラコン。



そして大きな蝶が描かれたパーカー。



「おねーさん、ひとりぃー?こんなところに一人でいちゃあ、危ないよー?」


不良に絡まれては、


ボコッ


「ぐはっ」


殴り。



ニヤニヤしている奴らを見つけては、



ボコッ ボコッ ボコッ


殴る。



そんな生活を始めて1ヶ月経った頃には。


"影を舞う蝶"


そんな風に呼ばれていた。