「あんたはまだ若いんだから、それに…父親のいない子供なんて可哀想でしょ、って言われて。」



「堕ろしなさいって言われた。」
  


「それで…。もうほんとに記憶がないんだけど…。」



「私、中絶したの。」



雅は、涙を流していた。



「私、赤ちゃん殺しちゃったの。」


「目が覚めたらね、病院のベッドの上だった。」


「もうお腹の中に赤ちゃんいなくて。絶望感に包まれた。」


「何度も何度も死のうとしたの。でもね、出来なかった。」


「あの男は、私を見て人殺しって責めてきた。」


「理由は私に振られたのが気にくわなかったんだってさー さっき言われたの」


「でも、花恋が助けてくれたからなんの問題もなかったよ。ほんと、ありがとうね。」