透にさよならの言葉を伝えた時、ふと思っ
たのは、
あぁ、私たちはこんな簡単に切れるほど薄っぺらい関係だったんだ。
だった。
そんなのもうとっくにわかっていたはずなのに。
私が桜風から追い出されたあの日から。
私はもしかしたらどこかで信じていたのか
もしれない。
桜風が私の居場所なのだと。きっと桜風のみんなといつか笑いあえるのだと。
でも、もうそんなことはないし、私自身そ
んなことを期待すらしていない。
桜風にいた月日を後悔はしていない。
本当に楽しかったし、透にはこんな私を救ってくれて感謝もしている。
だからこそ追い出された時は辛かった。
もう、私は桜風に関わらない。
別に何を言われようと肯定も否定もしない。
全部を一からってことにはできないけど。
私は夜の街で、生きていくから。
あの繁華街で私は生きていく。